【利益計算】原価を考慮した最適な割引率の決め方
はじめに
割引施策を行う際に、利益を確保しながら売上を伸ばすためには、適切な割引率の設定が不可欠です。本記事では、原価を基にした最適な割引率の決め方を、具体例を交えて解説します。
1. 割引率を決める際に考慮すべきポイント
割引率を設定する前に、以下のポイントを押さえましょう。
- 商品の原価: 割引後に利益が残る価格を設定するために重要です。
- 利益率: 割引後の利益率を事前に計算しておく必要があります。
- 顧客の購買意欲: 割引率が高すぎると利益を圧迫し、低すぎると効果が薄い可能性があります。
2. 基本の計算式
割引率を決定するための基本式を覚えておきましょう。
- 割引額 = 商品価格 × 割引率 ÷ 100
- 割引後の販売価格 = 商品価格 - 割引額
- 利益 = 割引後の販売価格 - 原価
例:
原価が500円の商品を1000円で販売し、3割引を適用する場合:
- 割引額 = 1000円 × 30 ÷ 100 = 300円
- 割引後の販売価格 = 1000円 - 300円 = 700円
- 利益 = 700円 - 500円 = 200円
3. 利益を確保するための割引率計算
最低利益率を設定する
事前に利益率の最低ラインを決めておくことで、無理な割引を防ぐことができます。
計算式: 割引率 = (1 - (原価 ÷ 最低販売価格)) × 100
例:
原価が500円、最低利益率を20%とする場合:
- 最低販売価格 = 原価 ÷ (1 - 最低利益率)
- 最低販売価格 = 500円 ÷ (1 - 0.2) = 625円
- 最大割引率 = (1 - (625 ÷ 1000)) × 100 = 37.5%
この場合、割引率は最大37.5%まで許容されます。
4. 割引施策の実例
ケース1: 高利益率の商品
原価が300円、通常価格が1200円の商品:
- 利益 = 1200円 - 300円 = 900円
- 最大割引率 = (1 - (300 ÷ 最低販売価格)) × 100
- 最低販売価格が600円の場合、最大割引率は50%(600円が最低価格)。
ケース2: 在庫処分
原価が700円、通常価格が1000円の商品:
- 在庫を処分するため、利益を0に設定(最低販売価格 = 原価)
- 最大割引率 = (1 - (700 ÷ 1000)) × 100 = 30%
5. 割引率の適用タイミング
通常期
利益率を高く設定し、割引率は控えめ(10%程度)。
繁忙期
割引率を低く設定しても十分な売上が期待できるため、原価を守る施策が有効。
閑散期や在庫処分
高い割引率(30%以上)を適用し、回転率を上げる施策が有効。
6. 割引施策の効果測定
例: 割引施策後の売上を通常期と比較し、ROI(投資収益率)を計算します。
まとめ
- 割引率を決める際は、原価と利益率を必ず考慮する
- 最低販売価格を設定して無理のない割引を行う
- 目的に応じて割引率やタイミングを調整する
- 効果測定を行い、次回以降の施策に反映する
最適な割引率を設定し、利益と売上の両方を確保しましょう!